魚を育てることをつうじて、海の恵みといのちの大切さを考える、陸養プロジェクト。
6月、この陸養プロジェクトに参加する3校をつないでオンライン交流会がおこなわれ、
ヒラメの陸上養殖についてや、海を守るためのアクションについて、意見を交換しました。
海との関わりやヒラメの
陸上養殖について発表しました。
「わたしたちの学校のSDGs 陸養との関わり」
「世界をよりよくするために、子供も積極的なアクションを」との想いからSDGs活動に取り組んでおり、令和2年度は陸養プロジェクトへの参加にくわえ、民間企業や公共団体との連携をおこない、締めくくりとして「子供でもできるSDGs」という17ゴールにあわせた行動目標を設定しました。[14.海の豊かさを守ろう]は「マイバッグやマイボトルを持ち歩こう」、[11.住み続けられるまちづくりを]は「地域の人との関わりを大切にしよう」、[12.つくる責任つかう責任]は「物は最後まで使い切ろう」など、まずはできることからはじめています。
ヒラメのお父さん・お母さんになったつもりでお世話をつづけ、7匹が20cmほどに成長しました。今後、どうするかは話し合って決める予定です。
「海のない栃木で、江戸時代から続く魚食文化について」
魚が貴重なたんぱく源だった江戸時代、海のない栃木で食べられる海の魚といえばサメでした。サメは死ぬとアンモニアが発生し腐敗しにくくなるため長い距離を運ぶのに都合がよく、お祭りやお正月など特別な日のごちそうになっていました。ネズミザメ(モロ)やアブラツノザメ(サガンボ)はいまでもよく食べられており、スーパーに並んでいるほか、煮つけやフライで楽しまれています。おいしいのはもちろん高たんぱく・低カロリーで健康にもよく、先祖が受け継いできたこの魚食文化を、これからも大切にしていきたいと考えています。
緑色LEDを当てるなどの工夫をしたこともあり、8匹のヒラメはとても元気に育っています。これからのことはまだ決めていませんが、いただきたいと考えている人が多いようです。
「陸養プロジェクトから学んだこと」
オンライン交流会の時点ですでにヒラメをいただいていたのが烏山北小学校です。「いのちをいただくということを考えられ、いのちに感謝したいと感じられるようになった」、「いのちの重さや養殖の大切さをはじめたくさんのことを学んだ」、「育てるのは大変だったけれど、ヒラメにいのちがあることを感じたし、喜怒哀楽があるようにも感じた」、「育てて食べるのはとてもつらく、いのちを大切にしたい、給食も残さず食べたいと感じた」など、ヒラメをいただいたからこその声をたくさん聞くことができました。
ヒラメは161日間でなんと35cmほどに成長しました。ヒラメをどうするかについてまだ決めていない2校からは、育てているとき・いただいたときの気持ちについて質問がでました。
これまで学んできたことやオンライン交流会で感じたことをふまえて、
未来の海のためにいまなにができるのかを話し合いました。
たくさんの意見がでていて、とても素晴らしいと感じました。次はこれらの意見をぜひ実行してみてください。静岡、栃木、東京と各地に仲間がいるので、これからますます頑張れるのではないかとおもいます。
みなさんが勉強したことを家庭で共有してくれれば、150人の輪が、300人、600人の輪になっていきます。ですので、意見を実行にうつしてほしいですし、みなさんこそが未来を支えていると感じてほしいとおもいます。
大人数で話し合え意見が交換できたことを本当にうれしくおもいます。みなさんと勉強をするなかで、「循環」というキーワードを繰り返しだしてきました。これからも、地球に生かされているということ、地球と生きていくということを、いろいろなところで意識していってください。考えて行動することも重要です。いのちを大切するとはどういうことでなにをすべきなのか、しっかりと考え、
まわりにも共有しながら行動していってください。
さまざまな意見があがり、たくさんの拍手が起こった、陸養プロジェクトオンライン交流会。
ヒラメの陸上養殖についての報告ではいのちを大切にする心を、
グループディスカッションの発表では学習や体験をもとに考える力を、
それぞれに育んだことが感じられる素晴らしい機会となりました。
水質が保たれ、生物多様性に富む、美しく豊かな海を守っていくため、
これから子供たちがどのようにアクションをしていくのか、陸養プロジェクトも見守っていきます。
陸養プロジェクト実行委員会 事務局
MAIL. rikuyou@tototabelone.boo.jp