成長日記

東京都渋谷区加計塚小学校とうきょうとしぶやく かけづかしょうがっこう

いよいよ、みんなで育てたクエを食べる日。
この授業は「感謝の会」と名して行われました。加計塚小は、1組と2組、クラス毎に感謝の会が行われました。

感謝には、2つあるんですよ、とNPO日本養殖振興会の斉藤先生。

一つは、いのちをいただく、ということ。
私たち人間が生きるためには、魚や肉はもちろん、野菜やお米など、生きているものを食べなければ生きていけません。

もう一つは、料理をしてくれた人。お家の人はもちろん、お店の人や、給食の調理士さんなど、私たちが食べ物を口に入れるまでには、たくさんの人の手を経ています。

育てたクエを締める作業です。クエを調理してくれるのも、斉藤先生です。なんと、齊藤先生、もともとはお寿司の職人さん。プロの調理師さんでもあります。
自分たちで今まで大切に育ててきたクエがまな板におかれました。もちろん生きています。

いのちに感謝しましょう、と手を合わせます。
魚を締める瞬間は、見たくない人は目を隠していてもいいですよ、いうことでしたが、ほとんどの子どもが、しっかりと見つめました。

泣いている子もいました。
自分たちで決めた結論ですが、心中は複雑です。

「痛そうに見えますが、魚は痛みを感じません」という齊藤先生の言葉を聞いて、子どもたち、少し安心した様子です。
鮮やかな手さばきで、クエが三枚におろされました。

そして、今回、クエはお鍋にして食べることになりました。
自分たちで育てたクエと、プロが養殖してくれたクエ、食べ比べるために、2種類のお鍋が準備されました。

プロが養殖したクエ。


子どもたちが育てたクエ。
成育期間が短いこともあって、子どもたちのクエは身が小さめです。

子どもたちにも、調理された2種類のクエ鍋が配られました。
小さいおちょこのような器の方が、子どもたちが育てたクエです。

「いただきます」と感謝をして、食べました。


超高級魚で、家庭の食卓ではほぼ食べることのないクエ。
今回、クエを初めて食べる、という子もたくさんいました。
神妙な顔の子どもたちでしたが、食べ始めると、笑顔が広がっていきました。


やはり、高級魚!
脂があって、うまみ抜群です。みんながおいしくいただきました。

「食べるって、うれしい事だね」と斉藤先生。
泣いていた子も、きれいに食べきっていました。残さずいただくことも、命への感謝です。

ちなみに、プロが育てたクエ、子どもたちが育てたクエ、どちらもおいしかったそうですが、自分たちで育てたクエの方が、身が柔らかかったそうです。

こんな命を育む海。
その偉大さやすごさ、ありがたさにあらためて気づくこととなり、とても貴重な体験となった授業でした。
クエはいなくなりましたが、思い出と一緒に、子どもたちの心に残っていきます。

 

これで、陸養プロジェクトは終わりではありません。
クエがいなくなった空っぽの水槽。
ここに、養殖の課題を見つける授業が残されています。